通信制高校・サポート校のメリットと注意点
出来れば通信制より普通高校を卒業してほしい
人間関係で悩み、不登校になった娘さんの親御さんからご相談が届きました。母親としては普通科高校を卒業してほしいようです。この相談に対して、息子さんが通信制高校・サポート校へ転校したカウンセラー、同じく人間関係で苦労したカウンセラーがそれぞれお答えします。
母親からの相談内容
【お名前】: h
【子供の年齢】: 15歳 女子
【不登校の期間】:
中学2年の時に、仲の良かった子からの嫌がらせで学校に行きたがらなくなり、早退を何度かするようになり本人がとても辛そうだったので別室登校を許可してもらい卒業まで別室で過ごしました。
今年の春に高校生となり、本人も今度こそ頑張ろうとしていたのですが、集団の場所にいるのがとても辛そうで、入学してから1週間ですが登校するのを嫌がるようになりました。
不登校の状況
もともと内向的で、小学生の時は家の外では一言も言葉を発しませんでした。
中学に入る時に、今までの自分を変えたいという思いがあり、本人の努力で少人数の友達となら少し話も出来るようになりましたが、授業での発表などでは固まって、言葉を発することができませんでした。
とても仲良くしてくれていた女の子から、突然無視されLINEで嫌がらせを受けて以来、学校に行くのを嫌がるようになりましたが別室登校で何とか中学は卒業をしました。
高校に入学して1週間ですが、クラスの中にいる事がとても辛く緊張感が常にあるようで、はじめて早退をしてきました。
家族構成(同居、別居含む)
父:長女が小さい頃からあまり面倒は見てきませんでした。
母:小学生の頃学校で言葉を発しない事をキツく叱った事が多々 あります。
弟:姉とはケンカもしますが仲は良いと思います。
祖父:父方の祖父です。長女にはあまりとやかく言いません。心配をしているので、長女にお願いされて学校まで送ったりしていました。
ご両親の職業
父:サラリーマンです。帰りが遅いので長女が寝る頃に帰ってくるのがほとんどです。
母:一般事務員です。土日は休みなので子供と一緒に過ごしています。小学校の頃は早い時間で退社していたので長女が帰る時間には家にいました。
ご相談内容
中学時代は別室登校で卒業させてもらいましたが、高校になると単位制なので授業に出ないわけにはいきません。
学力だけであれば、通信制の高校で良いとも思うのですが、人間関係を結ぶ事も身につけていってほしく、出来れば普通高校に通い、卒業してほしいと思っています。
今まで、限られた人としか接して来なかった為、高校で話しかけられてもどう接して良いか、又会話をしても後になって自分が変な風に思われなかったか考えて苦しいようです。
毎日夜と登校する朝は泣いています。どうして辛いのか、何が苦しいのか聞いてみても、本人も上手く説明できないようです。親として精神的に無理はさせたくないのですが、どうして良いか分からない状況です。
カウンセラーからの返答
私の息子は通信制高校へ転校しました
はじめまして、hさん。カウンセラーの後藤です。よろしくお願いいたします。hさんはお嬢さんにとってとても素晴らしいお母さんですね。
お嬢さんとよくコミュニケーションがとれていらっしゃいます。ご相談内容からそれがよく解ります。
中学校で、別室登校に切り替えられたことは賢明でした。お嬢さんはえらいですね。別室登校を頑張って、ちゃんと高校に入学されたのですから。
中学校に入学した時に「今までの自分を変えたい」とお母さんに訴えることができたということ、また、仲良しだったお友達からLINEで嫌がらせを受けてさぞ辛かったと思いますが、そのことをお母さんにちゃんと打ち明けることができたということは、お嬢さんもえらかったと思います。
お母さんであるhさんが、それだけお嬢さんに信頼されているという“証”です。
通信制高校への転校について
お嬢さんは高校に入学され、新しい環境の中で、頑張りたくても頑張れないという状態なのですね。私の結論から申しますと、お嬢さんは通信制高校に転校されてもよろしいかと思います。
そうすればきっと、周りを気にせず、精神的に楽になれるはずす。私の場合、思い切って息子を転校させて本当に良かったと思っています。
息子が転校したばかりの頃は、通信制高校の生徒はまだまだ少なかったのですが、その転校した高校のサポート校の保護者会に出席する度に保護者の数がどんどん増えてゆき、ついには広い教室にいっぱいで、座る席がなく、立っておられる方が何人もおられたのを覚えています。
今、たくさんの子供たちがそれぞれ悩みを抱えています。お嬢さんも私の息子も決して特別というわけではありません。
通信制高校のサポート校について
ちなみにサポート校とは、通信制高校の生徒が通う学校のことです。そこに通よう通よわないは本人の自由ですが、そこに行けば新しい友だちが見つかるかも知れません。ですからお嬢さんが通信制高校に転校されても、サポート校でのスクーリング(学校に通うことにより単位が与えられる期間で、必須)もあるので人間関係は学べるはずです。
サポート校で良かった部分
また、サポート校では生徒ひとりひとりとのコミュニケーションを大切にしていて、個別に指導を受けることができ、進学や就職のサポートもしてもらえます。
サポート校によって提携している通信制高校は異なり、雰囲気も違います。
学校の選び方について
何校か見学に行かれることをお勧めします。あの頃の息子は、お嬢さんと同じように人とのコミュニケーションがうまくとれなくて悩んでいました。
それで、先生と一対一で学べる個別教室(たんなる間仕切りだけではなく、ちゃんとした個室)のある学校を選びました。⇒通信制高校の選び方3つのステップ!
重視した部分
もちろん先生の人柄を重要視しましたが、そのような場所があるということで、本人が安心して登校できると思ったからです。そのせいかどうかは解りませんが、息子は頑張って希望の大学に進学することができました。
お嬢さんとよくご相談されたうえで、お嬢さんのためにどうすることが一番良いのかを、お嬢さん本人が決めれるように手伝ってあげてください。
子供の見守り方について
お嬢さんは頑張れる方だと思います。それを信じてあげてください。しかし、「頑張れ」などと声はかけないで、あくまでも自然体で、見守ってあげることが大切です。
お嬢さんが、たとえ辛くても、今の学校を続けたいと思われるのならば、大きな気持で受け止めて、応援してあげてください。
その時は担任の先生に協力を得ながら進めて行かなくてはならないので、またご相談いただくか、あるいは、学校にスクールカウンセラーがおられるのであれば、その方に相談されることをお勧めします。
そのほうが、スムーズに担任の先生と連携をとっていただけます。焦らずに、時間をかけて、ゆっくりと進めていってください。
通信制高校の注意点
通信制高校に転校されるにあたって、一つ注意していただきたいのですが、一度転校してしまうと、まず元の高校に戻ることは難しいということです。通信制高校への転校を考えられる場合は、そのこともお嬢さんがよく理解されたうえで決めてください。何よりも、お嬢さんのお気持ちを大切にしてあげてください。
後藤(カウンセラー紹介ページ)
通信制高校とサポート校の比較サイト「ズバット」
http://www.zba.jp/tsushin-highschool
私も人間関係で苦労しました。
内気で人間関係が苦手なお子様が高校で順応できず朝、夜に泣いているのをみて、お母様も心配で心を痛めていらっしゃるのですね。
お母さんは体調を崩されておりませんか?眠れていらっしゃいますか?心配しております。無理はさせたくなく、通信制でも良いとお考えとのこと、ただ人とも接するようにさせたいとのことですね。
では、フリースクールなどに通い、もしどうしても高校卒業の資格が履歴書に書かせてやりたいということであれば、並行して通信もやってみてはどうでしょう?サポートしてくれるフリースクールもあるようです。
お子様が行けばですが、カウンセリングを受けたり、子供用の相談ダイヤルを「こんなところもあるみたいだよ。」、とお子さんに教えてあげるのも良いかと思います。ただし、決して無理強いはしないで下さいね。
通信制で自分一人レポートを出してというのは、なかなか大変な作業であると思われます。サポートもしてくれるフリースクール、若しくは私もやっていましたが、不登校専門の家庭教師という手もありますよ。
>>今まで、限られた人としか接して来なかった為、高校で話しかけられてもどう接して良いか、又会話をしても後になって自分が変な風に思われなかったか考えて苦しいようです。
私はそういうお子さんへ、SSTといって、コミュニケーションのロールプレイ(実際に失敗しても安心な仲間と一緒にやってみて練習する)そんな講座も開いています。相談者様のお住いの地域でも、何らかのそのような講座があると思います。
ストレスコーピングといって、不登校になられるお子さんは、全般的にストレス耐性が低かったり、アサーション(お願いしたり、断ったり、自分の気持ちを相手に上手に伝えるなど)スキルを学ぶだけでも、今後の人生で、大いに役立ち、生きづらさ、人との関係でのストレスを減らすことが出来ます。
この私も実は、親からネグレクト(無視)されて育ち、とても人間関係で苦労しました。ですが、スキルですから、トレーニングでだんだんに上手になれば、それにまつわるトラブルやストレスに強くなれます。
まずは、お急ぎと思いますので、取り急ぎ。どうぞご自愛下さい。また何かありましたら、どうぞ辛いお気持ちを吐き出して下さい。岡本
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不登校解決への近道を知るには
不登校解決への近道は、「子供に寄り添い、話を聞いてあげる事」です。
たったこれだけの事で効果はきちんと現れます。
あなたは「私はちゃんと子供の話を聞いている!」
と思うかもしれません。
でも本当に出来ていますか?
「子供の話を聞いてあげる、そして親子で一緒に答えを出す」
という方法で多くの親子が不登校の問題を解決している事例があります。
参考にして下さい。
[通信制高校よりも普通科のがいい?相談と返答]に関連する記事
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