高校初日から不登校に。16歳女子

不登校に関するご相談内容

相談者:Sさん
【子供の年齢】: 16
【子供の性別】: 女

 

【不登校の期間】:
高校進学し、初日から本日で2日目
もともと過度な心配(不安)症で小学校、中学校時代にも不登校の
時期があった。が、中三は一度も休まず登校していた。

 

【不登校の状況】:
前日から不安でよく眠れず、朝は不安そうに起きながらも、着替えを済ませ元気に登校する様子だが、家を出る直前になってぐずりだし、親が促すとイライラする。

 

また泣いてしまう。初めての電車通学、中学の友達がいない問い環境も影響か。落ち着くと「明日は登校する」といい、元気でいる。

 

【ご相談内容】:
もともと不安症で児童精神科も通っていた。
高校の環境は良く、初日にして担任や保健の先生の理解もある。

 

ただ新しい環境でしかも初日から登校せず、また今後の学習や進級についても不安が募っているはず。親としてどのように対応すべきか悩んでいます。

 

私からの返答

こんにちは。
ご相談の事例では、問題をめぐる情報が、率直なところ十分には伝わって来がたい面がありますので、最善の策を的確に示すのが、困難に思われるふしがあります。

 

しかしながら、文面から判断できるかぎりにおいて、アドバイスさせていただきます。

 

まず、この生徒さんは、中学3年生のときには無欠席で通学されていたことから明らかなように、いわゆる、対人恐怖症や引きこもりなどのたぐいとは、全く異なります。

 

 

この生徒さんは、他人よりも鋭い感受性を持つ、芸術的で繊細な人柄なのでは、ありませんか?

 

彼女が、新しく入学した高等学校に行きたがらないのは何なのか、その理由を特定し、それを取り除けば、何の問題もおこらないはずです。

 

その理由について、彼女が何か自発的に語ったことは、ありませんでしたか?

 

たとえ、ほんのちょっとした一言であったとしても、それが、彼女の苦しみを取り除く大きな手がかりとなる可能性は、十分にあります。

 

ただし、絶対に、強い口調で無理やりそれを聞き出そうとしたり、すぐに知ろうとするために、人格を否定したり、傷つけるような質問をしてはいけません。

 

誰よりも心に傷を負っているのは、彼女自身なのです。

 

その心の傷をできるだけ早く、ただし、その行為が彼女に負担とはならない形で、いやしてあげなければなりません。

 

ご相談の文面には、初めての電車通学や中学時代の友だちがいないこと、今後の学習や進級について不安がっていることなどの疑念について言及しておられますが、これらは、保護者の方の単なる憶測にすぎないのか、あるいは、彼女自身の心の傷となっている本当の理由なのかを明らかにしてみてはいかがでしょうか。

 

 

前者であれば、単なる取り越し苦労であるに過ぎませんが、後者の場合には、現段階で直ちに解決策となるような働きかけを保護者等、まわりから行わなければなりません。

 

電車通学の不安とは、登下校時に彼女がひとりで過ごさなければならない、
車内での時間のことなのでしょうか?

 

その時間が大変に単調、退屈で苦痛なのであれば、自分の好みの本やスマートフォンなどを使って、往復の時間を楽しく過ごせる工夫をすることで、解決に近づけると思われます。

 

また、見ず知らずの他人と車内で同一の空間を共有することに違和感があるのならば、必ずしも今の同じ高校の同級生ではなくとも、中学時代の同級生で、同じ方向へと通学する他の高校の生徒と一緒に通学するなども、一案です。

 

また、今後の学習や進路の問題を懸念しておられますが、まだ、彼女は、高校の授業に出席していません。のぞいてもみないうちから、物事を判断することはできません。
大切なことは、はじめ、を作ることです。

 

もしも彼女が、高校入学前から、高校の入学試験の成績や席次、あるいは、入学後の自分の順位などを大変気にしていたのであれば、まわりは、それらを気にするのではなく、まず、とにかく、彼女には、授業に出席する権利があるということを、認識させるべきです。

 

最初の授業において、彼女の負担とならないよう、あらかじめ、担任の教師と、申し合わせをしておくとよいでしょう。

 

その内容とは、授業中に彼女を指名しない、負担となる、予習、復習、宿題などを無理強いしないなどの事前の申し合わせにより、彼女が緊張せずに、リラックスした環境で学校生活に溶け込んでいける端緒を作ってあげることです。

 

すでに2日間の欠席日数がありますが、このことを親や教師が絶対に責めないでください。また、他の生徒も、そのことについて、彼女に問うことをしない等の配慮が必要です。

 

ところで、不登校の原因が、単なる、彼女の未知への不安から来るものではなく、
入学した高校に特有の問題にある場合には、別の方策を考えなければなりません。

 

彼女は、まだこの高校に登校した経験がないのですから、具体的ないじめ、体罰等の心に深い傷を負わせる事柄に遭遇したとは考えがたいものです。

 

しかしながら、高校の入学試験の時期、その合格発表の時期、および入学の時期との間には、ある程度の日数、すなわち、時間差があったはずです。

 

ひょっとすると、この間に、感受性の強い彼女は、自分の新たな身の置き所となるこの高校についての、不快で嫌な情報をつかんだのかもしれません。

 

それは、たとえば、自分が以前から大変嫌っていた人間が卒業、在籍している、あるいはいたことを、知ったことであるかもしれないし、

 

もしくは、彼女にとってとても苦痛に感じられる校則や、指導の厳しい教師の存在を知ったことなのかも、わかりません。

 

このような場合には、高校一般ではなく、
この高校特有の問題点が彼女を苦しめているということです。

 

この高校が、彼女の第一志望の学校であったのかどうかは、文面からは、判断できませんが、そうであった場合には、期待に反するものとしての絶望感は大きく、また、そうでなかった場合には、本来、不本意な学校であっただけに、それに一層拍車をかけた不満がつのることになり、いずれにせよ、彼女の期待にそうことはできません。

 

このような場合には、無理のない形で本人と話し合い、3年間継続してこの高校に通えそうかどうかを考えるべきです。

 

そして、それが難しそうであれば、できるだけ早い時期に他の高校への転校を考えるのが得策です。

 

意外と知られていないことかもわかりませんが、公立の高校には、入学時の定員割れ、あるいは、中途退学者による欠員補充等の見地から、各学期ごとに転入生を募っているところがあります。

 

彼女の場合は、早ければ、1年生の2学期の9月から、別の高校への転入が可能で、
このような情報は、通常、転入の2か月ほど前、この場合であれば、7月ごとからインターネット等で知ることができます。

 

今の高校が、彼女にとって何らかの事情により大変苦痛でも、夏休み以降は、別の新天地に身を置くことができ、わずか数か月の辛抱だと言ってあげれば、彼女は、明日からでも、登校を始めるようになるかもしれません。

 

いずれにせよ、彼女は、中学卒業のときまで、留年、落第をすることなく、他者に遅れをとることのない履歴を歩んできたのです。

 

一時の不登校がもとで、同じ学年を繰り返したり、中退となったりすることのないように、保護者をはじめ、まわりが暖かく見守ってあげなければなりません。

 

 

彼女は、彼女自身が負った心の傷についてのサインをまわりに発し、助けを求めているのです。sさんが、このことを正しく知り、その心の傷をいやして、彼女が心のよりどころを取り戻せる手引きとなるよう、この文章をつづりました。

 

また何かありましたらご連絡くださいね!失礼します。

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