通信制は公立と私立どっちがいい?

通信制高校の公立と私立の比較

通信制高校で、公立と私立どちらがいいか迷っている方もいるかもしれません。

 

ここでは、公立と私立の違いを比較して、あなたにとってどちらが最適か判断してもらう材料にしてもらえればと思います。

 

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学費で選ぶなら公立の方が安い

通信制高校の選び方と比較で説明しましたが、公立高校の学費は年間2~3万円ほど、卒業まで約10万円ほどで済みます。

 

一方、私立だと、年2~3日のスクーリングのみの高校でも年間30万円、就学支援金を利用しても、年間18万円ほどの学費が掛かります。

 

学費のみで選ぶと公立の方が良い気がしますが、肝心の卒業できるか?という部分で私立の方が優れているので、学費のみで判断する前に以下の文章を読んでみて下さい。

 


通信制の私立と公立での卒業率の違い

私立と公立では、卒業率に違いがあるのか?

 

こちらに関しては、明確なデータが出ていませんが、文部科学省に「卒業後の状況調査(高等学校 通信制)」という資料があり、その中の、通信制高校卒業者の進路状況を示したデータがありました。(文部科学省:通信制高校の状況別卒業者数

 

それによると、平成26年度間に卒業した生徒の全体の人数は、

 

通信制高校卒業者数(平成26年)

  • 公立通信制:8,844人
  • 私立通信制:42,653人

 

となっています。では、通信制高校全体の生徒数は何人かというと、文部科学統計要覧にデータがありました。(文部科学統計要覧

 

通信制高校の全体の生徒数(平成26年)

  • 公立 71,180人
  • 私立 112,574人

 

となっています。もし「公立と私立で学校のシステムに違いが無く、学費が高いか安いかの違いのみ」ならば、生徒全体に対する卒業者数の割合は一緒になるはずです。

 

しかし、その割合は一緒でないことが一目見て分かると思います。

 

通信制高校の卒業率は公立が12.4%で私立が37.8%

かなり大雑把に計算すると、生徒全体に対する卒業率は公立で12.4%、私立で37.8%となります。

 

もちろん、生徒数の中に今年入ったばかりの生徒なども含まれますので、正確な数字ではありませんが、公立と私立を同じ条件で比較していますので、もっと正確にデータを集計したとしても、公立の方が卒業率が高くなるという事は無いはずです。

 

3年で卒業する率はもっと高くなります。

また、卒業率だけを見ると低いと思うかもしれませんが、先ほど言ったように、在籍期間が3年未満の生徒も数に入れていますので、「3年間で卒業する生徒」の割合はもっと高くなるはずです。

 

何故卒業率に差が出るのか?

このように、公立と私立では卒業率に違いがあることが分かります。私立の方が卒業まで行けた人の割合が20%も多いのです。

 

何故、卒業率に差が出るのか?それは、「登校(スクーリング)の頻度と自由度」「学習面のサポートの厚さ」に違いがあるからです。

 

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登校頻度(スクーリング)や自由度の違い

公立の場合は、あらかじめ週1日の登校日(スクーリング)日程が決められており、その日程に沿って行動していかなくてはなりません。

 

しかし、私立の場合は、元々月に1回や年に数日といった様々なコースから選択できることや、週1日コースだとしても何曜日に登校するのかなど自分の都合に合わせたスクーリング計画を組むこともできます。

 

ですので、体調面で不安なことがあって、常に決まった日にちに登校できない場合は私立高校の方が無理なく卒業まで行ける可能性は高くなります。

勉強や精神面のサポート体制の違い

勉強のサポート

公立での勉強

公立の通信制の場合は、あくまで生徒本人の自主性を前提に、授業を進めたり、レポートの提出を求められます。また、学習の進め方も、中学卒業程度の知識があることを前提に勧められますので、高校以前の勉強に関しては自分でおさらいをしていかないといけません。

 

また、週に一回のスクーリングですので、先生に質問できる機会も少ないというのは避けられません。勉強面で不安な方は、同時に、塾などを使って不安を解消することも大事になってきます。

 

私立での勉強

私立の場合は、スクーリング頻度を上げる事によって、先生に質問できる機会を増やしたり、学校側も、中学時代のおさらいなども希望があればやってくれる高校もあります。

 

また、私立の多くは、サポート校と連携していて、通っている通信制高校のカリキュラムに合わせて、勉強面のサポートやレポートの添削、試験対策などのサポートも受けることができます。

 

自宅学習やレポートの提出に関しても、私立は公立より幅広く対応しています。例えば、インターネットの動画で授業を受けたり、復習をしたり、レポートをメールで提出出来たりと、時間や場所を選ばず、自宅学習をすることができます。

 

精神面のサポート

精神的なサポートについては、私立の方が手厚くやってくれます。スクーリングの日にカウンセラーが学校にいたり、通信制高校在籍中に不登校やひきこもりになった場合でも、高校のカウンセラーに相談したり、家庭訪問まで行ってくれるところもあります。

 

また、私立と提携しているサポート校では、ADHDや学習障害の子供に合わせた学習の進め方をしてくれる所もあります。

 

入学・編入・転入の受け入れ時期の違い

公立と私立の入学・編入・転入時期の違い

通信制高校の公立と私立では、入学・編入・転入受付時期の幅に違いがあります。

 

ちなみに、編入とは、一旦高校を中退してから、もう一度高校に入り直すことで、転入は今の高校を中退せずに、新しい学校に転校することを指します。

 

私立の入学・編入時期

私立では、4月、7月、10月、1月など年に4回入学できる機会があるところもあります。もちろん、学校ごとの違いがありますので、年度途中から入学したい場合は、資料を請求してみて、年度途中でも入学できる高校を探しましょう。

 

公立の入学・編入時期

公立の通信制では、基本的に4月の年1回が多いです。ただし、欠員が出た場合などに、9月や10月から入学できる場合があります。、

 

公立と私立の転入受け入れ時期の違い

現在の高校から新しい通信制高校に転校する場合、私立であれば、随時受け入れを行っている高校がほとんどですが、公立だと、転入試験の日にちが決まっていたりするので、柔軟な対応を期待できません。

 

なので、公立の通信制に転校したい場合、転校先の高校に合わせて転校手続きを取っていく必要があります。私立の場合、転校したいと思ってから、実際に学校を移るまでの期間を短くする事ができます。

専門コースの有無

私立の通信制高校には、専門的な分野を学べるコースもあります。

 

将来、就きたい職業がある場合でも、公立では自分で資格の勉強などをしなくてはいけません。私立なら、専門の講師がいるコースを選択することで、自分の好きな分野の勉強を進められます。

 

また、大学進学を視野に入れたコースもあるので、しっかり勉強して大学受験を受けたい人にとっても私立の高校の方が選択肢として有力と言えます。

公立と私立どっちがいい?まとめ

以上のように、公立と私立では、学費、卒業率、学習サポート、精神サポート、スクーリングの自由さで違いがあることが分かったと思います。

 

まず、一番大事なのは「卒業」できるか?ですので、学費の安さのみで判断しないようにしてください。

 

公立を選んだ方が良い人

  • 中学までの勉強を理解できている人、そうでなくても、復習を自分で出来る人。
  • これからの勉強やレポート提出を自分で計画して出来る人。
  • 週1日の決まったスクーリング日に安定して登校出来る人

 

最低でも、これら3つの条件を満たしていないと、卒業まで行くのが厳しいと言えるでしょう。

 

逆に勉強について、自主的に計画を立てて勧められる自信がない人や将来に向けて資格取得や専門分野の勉強をしたい人は、私立を選ぶようにしたほうがその先の進路についてスムーズに行ける可能性が高いと言えます。

 

私立の通信制高校の選び方については通信制高校の選び方3つのステップをご覧ください。全国の通信制高校を探すにはこちらのサイトが効率よく探せます。

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