フリースクールの料金・その他の費用

フリースクール

フリースクールは正規の学校ではないのですがその人気は強く、特にひきこもりなど不登校の生徒が、既存の枠組みとは大きく異なる自由な校風に魅せられて通うケースが多くあります。

 

フリーと名がつくように自由で独創的な教育を行うのが魅力で、進学を希望する生徒も大勢います。

 

学校と認可されるフリースクールも

またここ十数年では全国の学校同士が手を結び合いNPOのネットワークを形成する動きもあり、東京では学校法人として認可されたフリースクールが一般の学校と同様の中学校を開校して広く受け入れているという現状もあります。

 

フリースクールでの出席が学校の出席と認められるかは校長先生が認めるかどうかにかかってきます。その場合は通学定期券も利用できます。詳しくはフリースクールと適応指導教室の違い

 

フリースクールは個人や団体が運営しており、公的な機関である適応指導教室とは違い、料金が掛かってきます。

 

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フリースクールの入会金や授業料

 

フリースクールに掛かるお金の平均(月謝などの授業料の平均)

フリースクールの月ごとに掛かる料金や入学金はそれぞれの団体によって異なりますが、一つの目安として、文部科学省のフリースクール調査の結果を紹介したいと思います。これは全国のフリースクール319件からアンケートで回答を貰い、統計したものになります。平成27年の資料です。

 

文部科学省の調査によると

  • 月ごとの学費(授業料)・・・1~3万円と3~5万円がそれぞれ40%を占め、平均すると3万3千円
  • 入学金(1年目のみ掛かる費用)・・・一番多かったのが1~3万円で全体の30%を占め、平均すると5万3千円

 

入学金に関しては、319件のうち、123件のフリースクールが入会金無料で運営しているという結果でした。

 

詳しくは⇒民間の施設・団体に関する調査(文部科学省)

 

フリースクールの形で料金も違う

一重にフリースクールといっても現状では全国各地に様々なスタイルの学校がそれぞれで受け入れているのですが、一般の学校は文部科学省が所管するのとは異なりそれぞれが独立した存在なので、個々のスクールによって中身は大きく異なっているという特徴があります。

 

少人数制のとこともあれば大人数制のところもあり、制服を設けているところもあれば通信教育の学校もありますので、生徒それぞれの現状に合わせて受け入れてくれるスクールを探すことになります。

 

なので、フリースクールの特徴や規模によって料金が変わってくるという事です。フリースクールのタイプごとに料金を調べてみました。

 

小規模なフリースクールの場合

浜松市にある「NPO法人 フリースクール空」は生徒数10人程度で教員も3名の小規模なフリースクールです。

  • 入会金・・・5万円
  • 月ごとの授業料・・・週3日コースが2万円・週5日コースで3万円

こちらのフリースクールでの活動特に何をやるかという決まりは無く、子供のやりたいことに併せて活動しているようです。ブログを見てみると誕生日会を開いたり、ハイキングをしたりする活動内容が見られます。(フリースクール空HP

 

そこそこ大きなフリースクール

東京にある「みらいフリースクール」は週5日コースと週1日コースにそれぞれ15人程度が通う比較的大きなフリースクールです。設備も立派そうで勉強やカウンセリングの他に職業体験も活動内容としてあります。

  • 入会金・・・11万円
  • 月ごとの授業料・・・週5日コースが6万円・週1日コースで2万4千円

私立大学が運営しているので、進学もしやすくなるかもしれません。(みらいフリースクールHP

 

全寮制フリースクール

「全寮制フリースクール玄海」は通学と寮の2コースが選べるフリースクールです。どちらかというと「子供を強く鍛える」という事を特徴としているみたいですね。

 

寮の場合は3か月で入会金や月謝全て合わせて62万円となっています。6ヵ月だと104万円です。(フリースクール玄海HP

 

フリースクールを調べているうちに見えてきた4つの型

現在、全国のフリースクールのコースや料金の検索サイトを作成中なのですが、その中で見えてきた4つの型と料金体形の特徴が見えてきたので紹介します。

 

フリースペース型

フリースペース型は「居場所提供」の意味合いが強く、積極的な学習支援はあまり行わない傾向があります。どちらかというと児童や生徒のそれぞれのペースでそれぞれのやりたい事を探し、それを職員がサポートする形が多いです。1対1での個別指導を行う施設もあります。

 

フリースペース型の料金体系の特徴

フリースペース型は日単位や時間単位で料金を設定している所が多く、入会金も5000円以下や無料の所も珍しくありません。子供が希望する時だけ利用できるので費用は安く抑えられます。

 

ただ、受験や特殊な勉強については別途対応が必要かもしれません。

 

月額の通学フリースクール型

フリースクールについて調べる前にはこの型が一般的な形だと思っていました。この型は週に利用する日程をあらかじめ設定しておきそれに従って登校するような形が多いです。

 

月額制のフリースクールでは学習指導要領に基づいた学習支援や独自の学習支援を行っている所も多く、学校の出席扱いに関しても協力的なフリースクールが多い印象です。

 

月額の通学フリースクール型料金体系の特徴

月額フリースクール型では週1コースから週5コースなどのコースから選んで登校する形が多くみられます。入会金は1万円から5万円など幅広く設定してあります。月額でいうと週1なら1万円前後が一般的な印象です。

 

月額なのでフリースクールへ行かない月があっても支払う必要が出てきます。

 

全寮制型

全寮制型は文字通り子供を施設に預ける形のフリースクールです。集団生活や自然や動物との触れ合いの中で自立を支援している施設が多く、生活リズムの改善にも積極的に指導します。

 

全寮制型の料金体系の特徴

全寮制なので入会金や年会費、月謝などは当然高額になります。入会金は最低でも10万円ぐらいに設定している施設が多く、月謝も10万円以上が多いです。高額な授業料なので事前の施設スタッフとの面談や体験入学も十分に行ってくれる施設も多いです。

 

独自メソッド型

独自メソッド型は学習指導要領にとらわれない独自の教育メソッドを導入しているフリースクールです。

 

例えば不登校の子供というのはいわゆる「普通の学校」と相性が悪いだけで「好きなことだけをやる」「登校時間も下校時間も自由」というようなフリースクールでは不十分と考えていて「社会生活で必要な事はきちんと教える」「ルールや時間割もある」というような普通の学校とは違うけれど必要な事は指導するというスタンスの施設などもあります。

 

それだけに子供との相性が大事になってきます。事前の相談や体験入学も利用してじっくり検討してみて下さい。

 

独自メソッド型の料金体系の特徴

独自メソッド型は料金体系でいうと「月額の通学フリースクール型」と同じような所が多いですが、料金が2割から3割高い印象です。月額でいうと5万円以上するフリースクールが多い印象です。

 

家庭の事情に合わせた授業料・入会金割引き制度もある

フリースクールの費用の割引制度

フリースクールによっては、母子家庭であったりや家庭の収入状況によって、入会金や月ごとの授業料を免除したり、割引したりする制度を導入しているところもあります。

 

先ほど紹介した、平成27年のフリースクールの調査では、約45%の施設が、入会金や授業料を免除したり、割引に応じる制度があることが分かっています。

 

この制度はフリースクール独自で行っている制度です。具体的にどのくらい割引をしてくれるかはホームページ等で公表していませんので、希望する方は各フリースクールに問い合わせる必要があります。

 

円グラフは民間の施設・団体に関する調査(文部科学省)より

 

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交通費やその他に掛かる費用とは?

フリースクールに掛かる費用は入会金や授業料だけではありません。電車やバスで通う場合は交通費が掛かりますし、調理実習や遠足、キャンプなどの課外活動をする際には別途料金が掛かる場合があります。

 

通学定期券が発行できる条件

電車やバスで通学する場合、通常の定期券より安い通学定期券で通う事もできます。通学定期券を使うためには、フリースクールに通うことで小学校や中学校の出席扱いに出来ていると安心です。

 

小規模なフリースクールの場合、発行する駅や、対応する駅員によって発行できるか、できないかがはっきりしない場合があります。そういう時に、学校で出席扱いになっているという事実を示せば、スムーズに発行まで行けるはずです。

 

フリースクールの出席扱いの状況は

 

約半数以上が出席扱い

では、フリースクールに通うことで、学校の出席扱いになっているケースがどのくらいあるかというと、例によって文科省の調査結果を参照すると、小学生で約52%、中学生で約58%が出席扱いにできているという事が分かっています。

 

高校受験を考えて学校の出席も確保したいと思うのであれば、事前にフリースクールに問い合わせて出席扱いの状況を確認しておきましょう。ただし、高校受験の際は出席日数だけでは、不十分ですので、注意してください。フリースクールと高校受験や学歴についてはこちら⇒フリースクールからの高校受験はどうする?

 

不登校の場合フリースクールの料金が高いか安いかの基準

 

公立中学に通う場合の費用との比較

2015年の文部科学省の発行する「学校種別の学習費」というデータを見ると、公立中学校で修学旅行や遠足、給食費や部活や塾など全て合わせた平均が年間481,841円というのがあります。

 

公立で授業料が免除されているとは言え、学校に通っていたら意外とお金が掛かると思いますよね。これが私立になると年間1,338,623円掛かるようです。

 

先ほどの「フリースクール空」ですと入会金と授業料で年間41万円、2年目からは36万円です。みらいフリースクールは83万円です。

 

フリースクールは一人一人に合わせて指導方法を考えますし、生徒数も少ないですし、職員はボランティアばかりではなく、正規の職員もいるわけです。授業料だけで比較するとフリースクールは高いと感じますが、フリースクール側は結構ギリギリなのかもしれません。

 

公立中学に通っていた場合の料金とフリースクールの料金を比較して高いか安いか判断の一つとしてみてください。

 

資料:文部科学省「学校種別の学習費」

 

フリースクールの料金・費用まとめ

以上のように、フリースクールは規模や活動内容によって様々な料金体系がありますので、子供と一緒に相談しながら検討するようにしてください。

 

子供が希望を一番に叶えてあげることが大事ですが、入会金や授業料が厳しい場合もあります。その時は入会金・授業料の割引制度を行っていないか確認し、さらに通学定期券も発行できるかフリースクール側に確認することも大事です。

 

子供がフリースクールに入りたいと話して来たら、まずは見学、資料請求、問い合わせなどをしてみて一緒に考えてあげてください。


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